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「血管」は、何歳からでも鍛えられる…
若さと健康を保つ「血管のほぐし方」
『別冊 おとなの週刊現代 「血圧」と「血管」の新しい知識』より、
「血管寿命」にまつわる一部抜粋記事を紹介
「まず知っておいていただきたいのは
血管も実は『筋肉』でできているということです。
人の血管は3つの層からなっていて、外側から外膜、中膜、内膜と大まかに分けることができます。そのうちの中膜は、血管平滑筋という筋肉からなっている。これは歳をとるにつれて石灰化(カルシウムが沈着すること)して硬くなっていきます。
経年劣化でもろくなった水道管は、中を通る水の負荷ですり減って、水圧に耐えきれずいつか破れる。同じく血管も、血液が流れれば流れるほど、劣化し消耗してゆく。
「血管が硬くなり、さらに損傷すると、炎症が生じたところにLDL(悪玉)コレステロールなどが入りこみ、血管の内側にたまります。それが肥大化すると『プラーク』という塊ができて血栓をつくり、脳や心臓の血管を詰まらせるわけです」
●こり固まった血管をストレッチ
まずやるべきは、硬くこり固まった血管を「ほぐす」ことだ。体内の血管は、まわりを筋肉でびっしり取り囲まれている。その筋肉が固まった状態では、血管を自由に動かし、伸ばしたり広げたりすることはままならない。
固まった血管をほぐすうえで効率的なのは、太い血管も通っている脚をねらったストレッチです。
とりわけ、脚についている血管と筋肉で重要なのが、この4ヵ所だ。
(1) 太ももにある大腿動脈と大腿四頭筋
(2) ふくらはぎにある後脛骨動脈とヒラメ筋・腓腹筋
(3) 膝の裏を通る膝窩動脈
(4) 足の甲を通る足背動脈と足先の毛細血管
これらをストレッチするための4つの方法を下図に示したので、順に解説していこう。いずれも、イスに座ったまま15秒ずつキープして、片脚につき合計1分やるだけで、十分に効果がある。
●「伸ばして、休む」が肝心
1の「前もも伸ばし」では、イスに横向きに座り、お尻の片側だけを座面に乗せる。背もたれを持って、座面に乗っていないほうの脚を後ろへ伸ばそう。このとき上半身が前に倒れないように、できるだけ背筋をまっすぐ立てるのがコツだ。
2の「ふくらはぎ伸ばし」は、イスに浅く腰かけ、片脚をかかとが浮かない程度に、少し後ろへ引く。その状態で、引いた脚の膝に両手をつき、前傾するようにして押し込もう。ふくらはぎが伸びるのがわかるはずだ。
ここで、ストレッチをするとき、全般的に気をつけるべきポイントをふたつお伝えしたい。呼吸を止めないようにすること、そしてきちんとストレッチ後に休息をとることだ。
「ストレッチに一生懸命で呼吸が止まってしまう人が多いのですが、息を止めると血圧が上がり、かえって血管に負担をかけてしまいます。どうしても呼吸が止まる人は、声に出して15秒数えるのがいいでしょう。
また、いちばん血流が増えるのは、実はストレッチの最中ではなく直後です。焦ってすぐに次の動作へ移らず、10~20秒ほど休みながら、ゆっくりとストレッチしましょう」(前出・家光氏)
3の「膝裏伸ばし」でも、2と同様にイスに浅く腰かける。片脚を前へ伸ばしたら、膝に手をあてて下へ押し込むようにする。このとき、膝と肘が曲がらないように気をつけよう。
ここまでで、脚の主な血管と筋肉がほぐれたら4の「足の甲伸ばし」で総仕上げだ。片脚をもう片方の膝に乗せたら、足先を持って背もたれにもたれかかる。足先には毛細血管が集中していて、血液が流れづらい。足の冷えが気になる人はとくに動脈硬化のリスクが高いので、入念にやろう。
最初のうちは、こうしたストレッチはなかなかつらいかもしれない。それでも、続けることでだんだんと血流がよくなって体温が上がり、血管はしなやかになっていく。姿勢をキープする時間はそれぞれのポーズにつき5秒や10秒でもいいので、毎日やるのが肝心だ。
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