「ヒトだけ なぜ老いる? 野生動物に老後はない」
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興味を引く本が有った!
野生動物の多くは生殖能力が無くなると死ぬ。
人間は生殖能力が無くなっても長い老後が続く…
ヒトはなぜ老いるのか。野生動物には基本的に老いがないという。
遺伝子の研究をしている東京大定量生命科学研究所の小林武彦教授(60)=写真=に
生物学者の視点から、人間だけに長い老いがある理由や、高齢者が存在する重要性を聞いた
◆サケは受精後 死ぬ
-野生動物に老いはないのですか。
サケは産卵や放精の後、急激に体の代謝が低下して死にます。ゾウは老化で傷ついた細胞を排除し、老いの症状がありません。老化で調子が悪くなれば、小さな動物は食べられやすくなり、大きな動物は食べ物を得られにくくなります。老いることにメリットがなく、「ピンピンコロリ」の状態で死ぬので、老いた野生動物はほとんどいません。
◆体毛なくて困った
-なぜ人間だけに老いがあるのでしょうか。
老いた人がいた方が集団として進化に有利だったから。おそらく600万年前にヒトとチンパンジーが分かれた後からです。チンパンジーとヒトの違いの一つは体毛の有無。体毛が変異でなくなって特に困ったのは子育て。ゴリラやチンパンジーの赤ちゃんは生まれたら、すぐ自力で母親の体毛にしがみつきます。ヒトは毛がないので母親が抱っこするため他に何もできなくなります。おじいちゃんやおばあちゃんがいれば子育てが格段に楽です。
サルと比べてヒトはコミュニティーが大きく、まとめるのが大変です。仲間割れも必ず起こります。おそらく、利他的に動けるシニアがいた方がうまくまとまったでしょう。大きな集団で生き残るのは結束力があり、戦略的に優れているグループ。果物や魚が捕れる時期と場所の知識などが重要になり、その点でもシニアがいた方が有利でした。知恵を授けてくれるから敬う発想が出てきたのです。
-他の霊長類は。
シニアの個体に居場所はありません。ゴリラのオスのリーダーは調子が落ちれば、他のオスに取って代わられてしまいます。
-高齢者が存在する生物学的な価値や役割は。
経験や知識の継承、次世代の育成、いざこざが起こらないような社会の安定の三つでしょう。年を取ると体力が落ちる分、いろいろな欲が減り、利他的に行動できるようになるのです。
◆定年なくてよい
-高齢者が置かれた現状をどう見ますか。
私の定義するシニアとは社会での役割で、高齢者イコールシニアではありません。シニアは尊敬され、制度的にも敬いました。そのため定年退職や年金をつくり、社会と距離を置かせてしまいました。現状に合っていないと思います。
高齢者人材資源大国である日本にとってもったいない話で、何歳以上は何をさせないとかは、重大な年齢差別で人権問題です。改めないといけません。シニアの役割を果たせる高齢者は多いです。年齢に関係なく、やる気と体力のある方はどんどん社会で活躍してもらえればいいと思います。
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